マウスピース矯正（インビザライン）がどんなに快適な治療法であっても、失敗してしまったら元も子もありません。矯正にかかる費用が安い、食事や歯磨きを普段通りに行えるなど、メリットばかりに注目していると、思わぬ失敗を招きかねないからです。そこで今回はマウスピース矯正（インビザライン）で失敗する原因と予防法をオレンジ歯科クリニックが詳しく解説します。

 

▼インビザラインで失敗する主な原因

 

インビザライン矯正では、以下に挙げるような理由で失敗することが多いです。

 

◎マウスピースの装着時間が足りない

 

インビザラインと従来のワイヤー矯正との決定的な違いは、装置の装着様式です。ワイヤー矯正は、歯列にしっかりと固定するタイプの装置であるのに対し、インビザラインでは患者さんが自由に取り外せるマウスピースを使用します。食事や歯磨きの際にはマウスピースを取り外さなければならないので、1日中着けておくということもできません。そのため、マウスピースを着け忘れたり、あえて着けなかったりするケースも珍しくないのです。そうした状態が習慣化すると、歯が予定通りに動かずにインビザラインも失敗に終わります。

 

◎保定処置を行わない

 

マウスピースによる歯の移動が上手く行っても、その後の保定（ほてい）までしっかりやり遂げなければ、歯の後戻りが生じます。1～2年かけて動かした歯が元の位置に戻っていくことは、インビザライン矯正における最大の失敗といえるでしょう。それまでに費やした時間もお金も労力も、すべてが水の泡となります。

 

◎インビザラインに向いていない症例だった

 

これは適切な技術・知識・経験のある歯科医師なら、未然に防ぐことができる失敗です。インビザライン矯正は、ワイヤー矯正ほど適応は範囲が広くないため、重度の歯並びの異常には向いていません。それなのに無理やりインビザラインを適応すると、かえって歯並びや噛み合わせが悪くなることもあります。本来は抜歯が必須となるケースで、非抜歯にすることを優先した場合もこのような失敗が起こり得ます。

 

▼インビザライン矯正での失敗を予防する方法

 

インビザライン矯正で失敗するリスクは、次の方法によって軽減できます。

 

◎マウスピースの装着時間を厳守する

 

インビザライン矯正で失敗しないための大前提は、マウスピースの装着時間を厳守することです。1日20～22時間というマウスピースの装着時間は、インビザライン矯正を成功させる上で必須の条件です。この点に不安がある人は、固定式のワイヤー矯正を選択した方が良いかもしれません。その他、マウスピースの交換頻度やお手入れ、2ヵ月に1回の通院もしっかり行うことで、インビザライン矯正の失敗を予防しやすくなります。

 

◎保定をやり遂げる

 

インビザライン矯正で歯を動かすのに2年かかった場合は、保定にも2年程度かかります。少し長く感じるかもしれませんが、保定まで適切にやり遂げることで、歯の後戻りを防止できます。

 

◎実績のある歯医者に治療を任せる

 

インビザラインは、ワイヤー矯正と異なる技術や知識が必要となる矯正法です。つまり、インビザラインで満足のいく結果を得るには、インビザラインの実績豊富な歯医者さんに任せるのが一番なのです。仮にワイヤー矯正が得意であっても、インビザラインの経験が乏しい場合は心許ないといえます。

 

▼まとめ

 

今回は、マウスピース矯正（インビザライン）で失敗する原因と予防法について、オレンジ歯科クリニックが解説しました。実際には他にもインビザラインで失敗する原因や理由がありますので、気になる方はいつでもお気軽に当院までご相談ください。