矯正治療は、歯槽骨（しそうこつ）に埋まった歯を人為的に動かす処置です。そのため、数週間から数ヶ月で治療が完了することはありません。基本的には数年単位の治療期間を要します。今回はそんな矯正の治療期間について詳しく解説します。

 

▼全体矯正は2～3年かかります

 

上下の歯列を整える全体矯正・全顎矯正は、標準的なケースで2～3年の治療期間が必要になります。移動した歯の後戻りを防止する保定処置には、さらに2～3年ほど要するため、全体では4～6年くらいかかるものとお考えください。

 

▼1ヶ月で動かせる距離は1mmにも満たない？

 

歯は顎の骨にしっかり埋まっているので、極端に強い力をかけると骨が折れたり、歯が抜けたりしてしまいます。とはいえ、弱すぎても歯は移動しないため、適度な圧力を加えることが重要なのです。具体的には、1ヶ月で歯根が0.5mm程度移動するくらいの力が適切といえます。それ以上強い力を加えると、顎の骨が過剰に溶けてしまい、矯正治療も失敗に終わります。

 

▼マウスピース型矯正も期間は同じです

 

マウスピース型矯正は、快適な矯正治療として有名ですが、歯並びを整えるのに要する期間はワイヤー矯正と大差はありません。歯を動かす動的治療（どうてきちりょう）に2～3年はかかります。

 

▼まとめ

 

このように、矯正治療は歯を動かすのに2～3年、後戻りを防止するのに2～3年の期間を要します。これはほとんどの矯正法において共通しているいえることです。

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