私たちのお口の中は、加齢とともに変化していきます。最もわかりやすい変化は「歯茎」ですね。歯茎の見た目というのは、20代の人と60代の人とでは大きく異なります。それは年を取るとともに、歯茎が下がる「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」という現象が進んで行くからです。今回はそんな歯茎が下がった状態でも、マウスピース矯正できるのかどうかについて、オレンジ歯科クリニックが詳しく解説します。
▼歯茎が下がってもマウスピース矯正できます
結論から言うと、歯茎が下がってきてもマウスピース矯正することは可能です。矯正治療の結果を大きく左右するのは、歯と顎の骨の状態であり、歯茎はそれほど重要ではありません。もちろん、歯茎も健康であるに越したことはありませんが、多少、下がってしまっていても、問題のないケースが多いといえます。ただし、歯茎が下がっている原因によっては、マウスピース矯正できないこともあります。
▼マウスピース矯正できない「歯肉退縮」のケースとは?
◎歯周炎にかかっている
歯肉退縮が加齢によるものではなく、歯周病によるものである場合は注意が必要です。なぜなら、歯周病は矯正治療の天敵ともいえる病気だからです。歯周病は、治療によって元の状態に戻せる「歯肉炎(しにくえん)」と歯茎や歯槽骨が破壊される「歯周炎(ししゅうえん)」の2つにわけることができます。歯茎が下がっているということは、歯周炎まで進行していることを意味するため、顎の骨の吸収も疑われます。もしも顎の骨まで破壊されていたら、その状態でマウスピース矯正を始めることは難しいでしょう。
ただし、過去に歯周炎にかかっていて、治療によって完治している場合は、そのままマウスピース矯正を始めることも可能です。歯周炎によって下がった歯茎は元に戻ることがないため、歯肉退縮が認められる場合でも治療によって完治しているケースはあり得るのです。
▼マウスピース矯正によって歯茎がさらに下がることも
加齢や過去にかかった歯周病のせいで歯茎が下がっていたとしても、多くのケースでマウスピース矯正はできます。ただ、歯列矯正にはそもそも歯肉退縮のリスクを伴うことから、治療によってさらに歯茎が下がってしまうこともあり得ます。すでに歯茎が下がっている人は、その点をしっかり理解した上で矯正を始めることが大切です。
▼マウスピース矯正に年齢制限はありません
冒頭では、20代と60代の人の歯茎の違いについて触れましたが、歯と顎の骨の状態が良ければ年齢は関係ありません。マウスピース矯正は50代、60代になっても始めることが可能だからです。年齢が上がるにつれて、歯の本数が減ったり、顎の状態が悪くなったりすることはありますが、マウスピース矯正に関心のある方はまずカウンセリングを受けてみることをおすすめします。年を取ったからもう無理だろうと始めから矯正を諦めてしまうことはもったいないですよ。
▼まとめ
今回は、マウスピース矯正は歯茎が下がってきても治療できるのかどうかについて、オレンジ歯科クリニックが解説しました。歯茎の下がり方が許容範囲であれば、マウスピース矯正に支障が出ることはまずありません。歯周病由来の歯肉退縮であれば、歯茎や顎の骨の状態を見た上で検討を進めていく形となります。いずれにせよマウスピース矯正の可否は専門家でなければ判断できませんので、まずは当院までご相談ください。